シンガポールに赴任して5カ月、コロナ禍の影響で在宅勤務が続いた中で、筆者が意識的に取り組んだのが現地のFMラジオ放送の聴き流しでした。
東京23区ほどの面積に約570万人がひしめくシンガポールは、多民族国家であるが故に様々な場面で英語以外の言語が用いられます。ラジオ放送においても例外ではなく、現在、シンガポールで聴くことができるFMラジオ局は19にのぼり、英語以外にも中国語、マレー語、タミル語といった多様な言語で情報を提供してくれます。
筆者が日常的によく聴いているCNA(Channel News Asia)という英語ニュースチャンネル(局名CNA938)では、アメリカ英語やイギリス英語だけではなく、シンガポール人の独特なアクセントが特徴であるシングリッシュ、インドアクセントと思われる癖の強い英語など、多種多様な英語が見事に共存している姿を垣間見ることができ、シンガポールが多民族国家であることを改めて実感することができます。渡航直後、早口のシングリッシュを殆ど理解できなかった筆者ですが、ラジオの聴き流しの成果か、若干ですが苦手意識を克服することができた気がします。
上記のCNAでは国内外の政治、経済などマクロ的なテーマから、東南アジアの最新情報、ローカルな話題まで幅広く取り上げていますが、筆者が一番気に入っているのがスポーツコーナーです。英国プロサッカーリーグ情報コーナーが特に面白く、選手移籍情報など非常にマニアックな内容が盛り沢山で、サッカーファンの方に大変お薦めです。
番組内では、キャスターが中立的な立場を忘れて贔屓のチームを情熱的に語る場面などが頻繁にあり、日本のローカル番組さながらの面白さがあります。こうした場面に出くわすと、国や人種、対象スポーツの違いこそあれ、スポーツ文化をこよなく愛する人情は万国共通という真理を実感することができます。日本でもインターネットで上記番組を聴くことが可能なので、気になった方はぜひお試しください。< https://www.channelnewsasia.com/listen >
シンガポール事務所 所長補佐 白石