「日本ふるさと名産食品展inバンコク」を開催しました!

一般財団法人自治体国際化協会は、2015年11月5日から18日にかけて、「日本ふるさと名産食品展 in バンコク」を開催しました。この食品展は、海外展開に取り組む自治体への食品展ノウハウ及び出展企業へのテストマーケティングの場の提供を目的に実施しています。今回は、10自治体から15事業者が出展しました。

1.食品展で売れたもの

今回の出展商品の中で、1位、2位の売上を誇ったのは柿とお茶です。1個145バーツ(約500円)もする柿を2~3個まとめて購入する方をよく目にしました。日本では、柔らかく甘い柿が人気ですが、タイでは比較的硬い柿が好まれます。柔らかく熟した柿は腐っていると感じるようです。日本茶もよく売れました。100g850バーツ(約3,000円)のお茶から売れていきました。お茶はタイでもヘルシーで人気の商品ですが、金額に納得しないと購入には至りません。お茶を出展した企業は、立ち止まったお客さんにお茶の産地や効能を丁寧に説明することで売り上げにつなげていました。

2.食品展で商品を売る

商品を買ってもらうためには、 お客さんにどんどん試食を勧めることが大切になります。どんな味の商品か分からないと購買意欲につながりませんので、とりあえず商品を食べてもらうことが重要です。また、出展企業にとっては試食を通して、自社商品に対するお客さんの生の反応をみる良い機会となっていました。お客さんの反応を見て、商品の配置を変えて売り上げにつなげた企業もありました。
ある出展企業の方は、「タイ人には、売れると思ったサクサクとした食感のパイは食感が不評で売れなかった。一方で、売れないと思った抹茶味やシナモン入りの八つ橋が良く売れた。(生の反応が見ることができ)テストマーケティングの重要性を認識できた。」という声が聞かれました。

3.タイに食品を輸出するにあたって

今回10自治体、15の企業の参加により開催した食品展ですが、開催にあたって苦労したのがFDA登録です。タイへの食品輸出には、商品ごとにFDA(タイ保健省食品医薬品局)から「食品登録番号」を取得し輸入販売の許可を受けることが必要になります。提出書類の中には英文作成が必要なものがあるので、出展企業者が円滑に手続きを進められるようにクレアでは輸出入手続きの支援も行っています。しかし、今回の食品展では提出書類の準備ができない、またはFDA登録の取得に時間がかかるという理由で出展を見送った企業がありました。具体的には日本で許可不要の業種や届出書で製造可能という業種で、営業許可証の作成ができないケースがありま
した。また、時間のかかる食品には、ジュースや醤油等の液体商品があります。

【FDA登録に必要な書類】(加工食品、果物・野菜)
・原産地証明書(英語)
・営業許可書(食品製造業、食品販売店、食品処理業)(日本語・英語)
・成分表示法
・製造業程表
・放射性物質の検査証(指定県のみ)
・植物検疫証明書(一部の野菜・果物のみ)

4.来年度の実施に向けて

クレアでは、来年もタイで食品展を開催することを予定しています。次年度は今まで蓄積してきたタイ人の嗜好や特徴といった情報をフルに活用し出展企業へのよりためになる情報提供を図ります。またFDA登録等の課題については重点的に補強していく予定です。タイでのテストマーケティングに「日本ふるさと名産食品展inバンコク」を活用してみてはいかがでしょうか。


■「日本ふるさと名産食品展inバンコク」概要
 

開催期間 2015年11月5日(木)~11月18日(水)の14日間
開催場所 タイ・バンコク都
サイアム・パラゴン Gourmet Market
主催 一般財団法人自治体国際化協会(本部経済交流課、シンガポール事務所)
対象者 一般消費者
出展者 15事業者(10地方自治体)
出展内容 ■農水産物
梨・柿・牛肉■加工品
菓子類(ブラウニー・柿チップ・クッキー・あられ・パイ)
佃煮、塩、味噌・練り物、日本茶、茶用道具、酒類(ビール、泡盛)全81品目
販売総額 188万バーツ(約644万円)

印刷用のPDFファイルはこちら

(与那嶺所長補佐 沖縄県派遣)