一般財団法人自治体国際化協会は、2017年1月28日から2月6日にかけて、「日本ふるさと名産食品展 in バンコク」を開催しました。この食品展は、海外展開に取り組む自治体への食品展ノウハウ及び出展企業へのテストマーケティングの場の提供を目的に実施しています。今回で開催4年目を迎え、8自治体から10事業者が出展しました。
これまで3回をサイアム・パラゴンで開催し、エム・クォーティエでの開催は今回が初めてです。サイアム・パラゴンでは、観光客が多い印象でしたが、エム・クォーティエは周辺に住んでいる富裕層(タイ人、日本人、中華系、欧米人)が日常買い物をする店舗という印象を受けました。特にタイ人や中華系の富裕層は贈答品や週末のパーティ用に商品をまとめ買いする傾向がうかがえました。
また、今回初の試みとして、販売ブース近くにイートインスペースを設け、焼肉弁当の調理販売を行ったほか、ブースで販売したおにぎりなどの商品も食べられるようにしたところ、多くの集客がありました。
当初、2016年11月下旬に開催予定でしたが、その前月13日にタイ国王が崩御されたことに伴う各種フェアの自粛ムードを受け、日程を変更し、今回はチャイニーズ・ニューイヤー(春節)の時期に重なる1月28日から開催しました。そのため、31日(火)までは春節効果で、周辺住人のほか中華系を中心とする観光客も多く来場し、非常に大きな売り上げとなりました。
一番の売上げとなったのは蜂蜜、次いで牛肉でした。これらはいずれもフェア最終日の前に完売してしまうほど大変人気がありました。特に900バーツ(約2,900円)の蜂蜜を2、30個もまとめ買いするお客さんが目立ちました。また、良く売れた売り場は、試食、試飲を積極的に行い、売り場に賑わいを持たせて、それを見た別のお客さんが集まってくるという好循環を作っていた点に特徴がありました。
タイはSNS大国と言われており、Facebookの利用者は人口の35%程度である2,400万人を超えています。食品展の会場となったエム・クォーティエでは毎日、フェイスブックに様々な案内を投稿していました。クレアのフェアに関しても出展商品に関する多くの投稿をしていただきました。売り場にはスマートフォン片手に、掲載された商品を探すお客さんを大勢見かけました。フェイスブックによるPRは店舗のページをフォローしている常連さんに対して効果的であるだけでなく、そこからの拡散効果も非常に期待できます。現在の商品販売戦略にSNSは欠かせないツールであることを再認識させられました。
比較的客足が少ないと思われる平日に、顧客のメーリングリストを使って、フェアの案内をして、呼び込みを行っている事業者がいました。こうした事業者のブースは比較的安定した売り上げを維持しました。魅力的な商品でファンを増やすことも重要ですが、アンケートなど様々な手法で定期的に情報を伝達できる相手先を見つけ、上手に顧客管理を行い、このように固定客にしていくという方法も重要であることがわかります。
クレアでは、今後も引き続いて、ASEANへの自治体の販路開拓の支援を行っていきます。
本年5月には、東京で開催する経済セミナーにおいて、これまでタイで食品展を開催したノウハウを生かし、タイの市場に関する情報提供なども行う予定です。
ASEANは人口6億人超、名目GDP2兆4,360億円という巨大な市場です。2015年の経済成長率は4.7%で着実に経済成長を続けており、今やまさに世界経済の原動力として、生産・消費共に重要な地域となっています。
年々、自治体のASEANへの関心も高まっており、物産販路拡大など経済活動も活発化してきています。こうしたASEANでのテストマーケティングのためにクレアの「日本ふるさと名産食品展」を是非ご活用ください!
開催期間 | 2017年1月28日(土)~2月6日(月)の10日間 |
開催場所 | タイ・バンコク都 エム・クォーティエ Gourmet Market |
主催 | 一般財団法人自治体国際化協会(本部経済交流課、シンガポール事務所) |
対象者 | 一般消費者 |
出展者 | 10事業者(8自治体) |
出展内容 | ■農水産物 いちご・さつまいも・トマト・牛肉・カニ ■加工品 |
販売総額 | 約173万バーツ(約553万円) ※(1バーツ=3.2円で計算) |
(新居所長補佐 江東区派遣)