自治体国際化協会シンガポール事務所は、2017年8月12日(土)と13日(日)の2日間、タイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerで開催された「Thai International Travel Fair #21」に参加し、会場の様子を取材してきました。
今回の開催期間は3連休と重なっていたためブース出展者は来場者数の減少を心配しておりましたが、私たちが訪問した2日間は来場者であふれており、日本政府観光局(JNTO)の「ジャパンゾーン」も人がすれ違えないほどの賑わいで、訪日旅行への関心の高さが感じられました。
JNTOによると、2016年のタイからの訪日旅行者数は前年比13.1%増加して901,400人となり、過去最高を記録しました。タイからの訪日旅行者の特徴は、6割以上が2回以上来日しているリピーターであり、そのうちの約1割が10回以上の来日者であるということです。また、7日以上の滞在者が約45%います。
リピーターが多く、滞在日数も長いことから、訪問先の地方分散が進んでいるのも特徴です。既に訪日旅行者の約半数がゴールデンルート以外を行き先として選択しており、多くの自治体にとって魅力のある市場と言えます。
今回の「Thai International Travel Fair #21」には、JNTOが秋の紅葉シーズンの訪日旅行客の増加に向け、美しい紅葉の景色や風情ある城をイメージして設置した「ジャパンゾーン」内に11の自治体関係団体が出展していたほか、東京都、鹿児島県、沖縄県、北九州市の4団体が単独で出展していました。各ブースともパンフレットやSNS等を活用した情報発信を行っていましたが、その中でも特にユニークな方法を取っていた北九州市のブースについて紹介します。
ブースのスタッフはキャビンアテンダントの格好をしており、一見したところ航空会社のブースかと思いました。市の担当者に話を聞いたところ、北九州市で撮影したドラマをイメージしたブースづくりをしたとのことです。「北九州市」の名前は前面に出てきませんが、ドラマを知っているファンはドラマが撮影された景色を求めて、結果として北九州市を訪れてくれるとのことです。私たちがブースを訪問している間も、子どもから大人まで、たくさんの方がドラマで使用された制服を着て写真を撮っていました。
JNTOブースの担当者に人気のあるパンフレットについてインタビューをしたところ、1位はダントツで北海道、続いて九州、東京、大阪、沖縄とのことでした。パンフレットをもらいに来る人の多くは特定の地域を指定してもらっていくという話を聞き、日本のことをよく知っていることに驚きました。タイの旅行者は美しい景色の中にいる自分を写真に撮り、それをSNSで発信することが大好きであるため、桜や紅葉、雪など、季節感が感じられるパンフレットが人気のようです。また、仏教国であるためか、意外にも神社仏閣のパンフレットも人気があるとのことです。
タイからの訪日観光PRに向けては、タイ語での情報発信はもちろんですが、このようなタイの旅行者の特徴を意識したパンフレットづくりやSNSによる発信も重要なポイントではないでしょうか。
概 要 | タイ旅行サービス協会が主催するタイで最大規模の旅行博 |
開催期間 | 2017年8月10日(木)~13日(日) 10:00~21:00 |
開催場所 | Queen Sirikit National Convention Center |
対 象 | 一般消費者 |
入場料 | 無料 |
来場者数 | 約300,000人(2016年7月開催実績) |
自治体関係団体数 | 15団体
青森県、(一社)宮城インバウンドDMO、(公財)仙台観光国際協会、(一社)東北観光推進機構、埼玉県、東京都、北陸新幹線ルート共同出展(埼玉県、群馬県、福井県、石川県)、岐阜県、静岡県、(一社)和歌山市観光協会、鳥取県、北九州市、(一社)佐賀県観光連盟、鹿児島県、沖縄県 |