2017年9月にクアラルンプールにおいてマレーシア旅行業協会(Malaysian Association of Tour & Travel Agents)が主催する「MATTA Fair 2017」が開催されました。主に一般消費者を対象に、例年10万人程度の来場者があるマレーシアの一大国際旅行博覧会です。
今回、自治体国際化協会シンガポール事務所は、日本政府観光局(以下JNTO) と連携し、ジャパンブースにおいて訪日観光PRを実施しましたのでその様子をお伝えします。
概要 | マレーシア旅行業協会が主催するマレーシア最大規模の国際旅行博覧会 |
開催期間 | 2017年9月8日(金)~10日(日) |
開催場所 | Putra World Trade Centre (PWTC) |
対象 | 一般消費者 |
来場者数 | 約120,000人 |
ジャパンブース
出展企業・団体数 |
21企業・団体 うち、自治体関係団体:10団体 北海道観光振興機構、北海道小樽市、(一社)東北観光推進機構、茨城県、千葉県、岐阜県、関西観光本部、和歌山県、岡山市、(一財)沖縄観光コンベンションビューロー |
2013年7月より実施されたマレーシアの訪日旅行者に対する短期滞在ビザの免除などによる追い風を受け、マレーシアからの訪日旅行者数は年々増加しており、2016 年は 394,200 人(対前年比 29.1%増)と過去最高を記録しました。今後も個人旅行の更なる普及により一層の市場拡大が見込まれています。
なお、このような状況を踏まえ、JNTOは今年3月にマレーシアにクアラルンプール事務所を開設し、マレーシアにおける訪日プロモーション事業を一層強化しています。
(参考)マレーシアからの訪日旅行者数の推移(出典:JNTOウェブサイト)
年次 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 |
訪日旅行者数 | 176,521人 | 249,500人 | 305,500人 | 394,200人 |
前年比増加率 | +35.5% | +41.3% | +22.4% | +29.1% |
マレーシア(人口:約3,200万人)の主な民族構成は、マレー系(約67%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)となっています。
「訪日プロモーションのメインターゲットは富裕層が多い中国系であるためハラール対応は特段不要」との意見を耳にすることもありますが、今後さらにマレーシアからの訪日旅行者数を増やすためには、やはり人口の大半を占めるムスリム層へのアプローチが不可欠です。
今回の「MATTA Fair 2017」では、JNTOによるムスリム旅行者向けの訪日旅行セミナーが開催され、プレゼンテーターから訪日した際に活用できるハラール用アプリや日本におけるハラールマークなどが紹介されていました。
また、いくつかの自治体関係団体は礼拝施設のほか、ハラールに対応したレストラン、ホテルなどの施設が地図とともに掲載されたムスリム旅行者向けのパンフレットを配布していました。特にユニークだったのは千葉県ブースで配布されていた千葉市のパンフレットで、女性スタッフがいる、個室がある、礼拝施設がある、動物由来成分・アルコール成分を含まないシャンプーがあるといった条件を備えた美容室まで紹介されていました。
マレーシアはハラール産業の国際的な中心(ハラール・ハブ)となることを国策としており、各種のハラール産業振興策を採っています。厳格なマレーシアのハラール認証は国際的にも認知度・信用度が高いことから、その正しい知識を得ることが、ムスリム旅行者誘致への近道となります。当事務所では、引き続きマレーシアの訪日旅行市場の最新情報を収集するとともに、ハラール産業開発公社などマレーシアの関係機関とも連携しながら正確なハラール情報を発信していきます。