タイ・バンコクのサイアム・パラゴンで2017年9月22日(金)~24日(日)の日程で開催された「Visit Japan F.I.T. Travel Fair 2017」に参加し、タイの個人旅行の状況を取材しましたので報告します。
タイからの訪日旅行者数は2013年の訪日ビザ免除などの追い風を受け、増加傾向にあります。2016年には901,400人に達し過去最高を記録しました。
この中でも個人旅行客(FIT)はタイ人訪日旅行客の約8割近くに及ぶと言われており、その6割以上が2回以上来日しているリピーターであるなど、個人旅行とリピーターの高さが特徴になっています。また、LCCなども増えているため、低コストで気軽に日本滞在を楽しむ人が増えてきています。
そのため、訪日目的地の多様化も進みつつあります。タイにおける訪日旅行プロモーションでも、地方への誘客を意識した取り組みを展開しているとのことです。今回の旅行博には日本からも47団体が参加し、日本各地の魅力のPRを行いました。
今回、会場のコンセプトは「冬×温泉」ということで、主に冬の旅行商品が多く販売され、スキーや雪遊びをPRする自治体が目立ちました。また会場には温泉気分が味わえる?写真ブースも備えられ、参加者を楽しませました。会場にはまっすぐ歩くのも大変な程人が溢れ、終日多くの人で賑わっていました。JNTOのブースでは日本各地のパンフレットを配布するとともに、旅程の相談も行いました。来場者の中には行程表を持ってきて相談をする方も多くみられるなど、個人旅行客を対象とした旅行博ならではの、より具体的な相談ができるブースとなっていました。
またパンフレットが人気だった旅行先としては、北海道、東京、大阪、九州などが挙げられます。しかし、この他にも日光、河口湖(富士山)、飛騨高山(白川郷)といった地方のパンフレットを求める人も多くいるなど、来場者の関心はゴールデンルートやメジャーな観光地にとどまっていないという印象を受けました。
今回、出展した47団体のうち、自治体関連のブースは27ブースでした。出展している自治体の方に話を聞くと、タイからの個人旅行客が増えている傾向を受け、FITフェアではより効率的に個人旅行客へのPRが行えるため、今回参加しているという声を多く聞きました。各ブースではその場で旅館を予約したい、実際に行くチケットはどこで買えるのかなど、具体的に旅行に結びつく話も多くできたとのことでした。
訪日旅行の成熟市場に移りつつあるタイでは、個人に届くきめ細やかで具体的かつ魅力的な情報提供が誘客成功のカギと言えそうです。
開催期間 | 2017年9月22日(金)~24日(日) |
開催場所 | サイアム・パラゴン5階 Royal Paragon Hall 内 Paragon Hall 1、3 |
主 催 | 日本政府観光局(JNTO) |
対 象 | 一般消費者 |
入場料 | 無料 |
出 展 団 体 | 76団体(日本側:47団体、タイ側:29団体) |
参 考 | 昨年の来場者数は約60,000人(2016年11月開催) |