2018年2月9日(金)~11日(日)までの3日間、フィリピン・マニラ首都圏にてフィリピン旅行業協会主催の旅行博「Travel Tour Expo 2018」が開催されました。今回シンガポール事務所は、JNTOブースを中心にこの旅行博の取材を行いましたので、その様子を報告します。
今年で25回目を迎える「Travel Tour Expo 2018」はフィリピン最大級の旅行博です。日本からは自治体や関係機関が北海道、栃木県、静岡県、中部地方、関西地方、沖縄県の観光PRを行い、併せて現地旅行事業者が訪日旅行商品を販売しました。今回取材を行ったのは9日(金)午前中で、平日かつ旅行博開幕直後の時間帯であったにも関わらず、JNTOブースは訪日旅行情報を求める来場者であふれ、日本への関心の高さが感じられました。
概要 | フィリピン旅行業協会(PTAA: Philippine Travel Agencies Association)が主催するフィリピン最大規模の国際旅行博覧会。 |
開催期間 | 2018年2月9日(金)~2月11日(日) 9:30~20:00 ※11日は~18:00 |
開催場所 | フィリピン・マニラ首都圏 SMX Convention Center |
対象 | 一般消費者 |
入場料 | 70ペソ(約150円) |
JNTOブース出展団体数 | 21団体/26ブース うち自治体関係出展者 (公社)北海道観光振興機構、日光市、栃木県観光物産協会、静岡県、中部運輸局・岐阜県・愛知県観光協会、関西観光本部、和歌山市観光協会、神戸市、(一社)沖縄県観光コンベンションビューロー |
フィリピン経済の安定やLCC路線の拡充、訪日旅行プロモーションにより、フィリピンからの訪日旅行者数は年々増加しており、2017年は 424,200 人(対前年比 21.9%増)と過去最高を記録しました。今後も個人旅行の更なる普及により一層の市場拡大が見込まれています。
なお、このような状況を踏まえ、JNTOは年内にマニラ事務所を開設し、フィリピンにおける訪日プロモーション事業を一層強化する予定です。
フィリピンからの訪日旅行者数の推移(出典:JNTOウェブサイト)
年次 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 |
訪日旅行者数 | 184,204人 | 268,361人 | 347,861人 | 424,200人 |
前年比増加率 | +70.0% | +45.7% | +29.6% | +21.9% |
※2017年は推計値
海外旅行をする経済的余裕のあるフィリピン人は約300万人(総人口約1億人の約3%)と言われています。多くの訪日旅行者の目的地はやはりゴールデンルートと北海道ですが、既にリピーターになっている一部の富裕層はそれ以外の目的地を探し始めています。フィリピンに目を向けていない自治体がまだ少ない状況ですので、先行者利益を狙える市場と言えるでしょう。
JNTOマニラ事務所設置準備室によると、フィリピンからの誘客を狙う際のキーワードは「ショッピング&イーティング」とのことです。フィリピン人は買い物が大好きで、日本食に関してはラーメン、天ぷら、とんかつに対する関心が高いようです。
また、慢性的な大渋滞の影響か、フィリピン人は世界一Facebookやインスタグラム等のSNSに時間をかけていると言われており、旅行先で撮った写真を知り合いに自慢するのも旅行の目的の一つになっています。
フィリピンでの観光PRに当たってはこれらの点に留意すると効果的かと思われます。
当事務所では、引き続きASEAN諸国の訪日旅行市場最新情報を収集し、関係機関とも連携しながら地域の魅力を発信していきます。
(上玉利所長補佐 鹿児島市派遣)
(安田所長補佐 島根県派遣)