フィリピン旅行博で訪日旅行をPR
~「Travel Madness Expo 2018」~
自治体国際化協会シンガポール事務所は、フィリピンで開催された「Travel Madness Expo 2018」(以下「TME 2018」)に参加し、JNTOマニラ事務所設置準備室と連携してビジット・ジャパンブース(VJブース)において、訪日観光PRを実施しました。
TME2018は約4万人の来場者を誇る旅行博であり、世界各国のブースが設けられ、フィリピンの一般消費者向けにアピールする絶好の機会です。当事務所職員が現場で見たフィリピン訪日旅行市場の最新状況をレポートいたします。
1 記録更新中!
フィリピンからの訪日観光客数は、近年では毎年過去最高記録を更新し続けており、2017年には42万人を超える規模となっています。これはフィリピンの経済の安定やLCC路線の拡充ももちろんですが、JNTOや各自治体のこれまでの訪日旅行プロモーションが実を結びつつあることによるものと思われます。
JNTOもこれらの高い伸び率に注目しており、マニラにJNTO新事務所を開設するよう準備を進めております。
フィリピンからの訪日旅客数の推移(出典:JNTOウェブサイト)
年次 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 |
訪日
旅客数 |
108,351人 | 184,204人 | 268,361人 | 347,861人 | 424,121人 |
前年比
増加率 |
+27.4% | +70.0% | +45.7% | +29.6% | +21.9% |
※フィリピン総人口 100,980,000人(2015年フィリピン国勢調査)
2 ~関心地域~日本は未知の国?
朝10時の開場前には、会場の周りが来場者で溢れており、開場と同時に多くの方が、パンフレットを手に取るためにVJブースを訪れるなど、始まりから圧倒されそうになるほどの熱気でした。多くの方が、日本には関心があるものの、正確な情報をもっておらず、まずはパンフレットなどで基本的な情報を得ようとされていると感じました。特に真剣に日本への旅行を検討されている方は、「日本のどこへ行ったら良いか」「ベストシーズンはいつなのか」といった基本的な質問や、ディズニーランドについての質問が多くありました。
「桜」への関心も非常に高いのですが、いつどこで見えるか、どのくらいの期間見えるかについては、まだ分かっていない方も多く、咲いている期間が短いことや気象状況により毎年少しずつ変わることなどを情報提供しました。また、日本のどこでも桜は見ることができるので、行きたい場所でいつ桜が咲くかを情報収集すれば思わぬところでも桜を見ることができるといったことも伝え、春に旅行される際の参考にしてもらいました。
3 とりあえず、航空券を購入?
VJブースでも旅行会社と同様に、「プロモーションをしている航空券はどれだ?」と聞いてくる方も多く、とりあえず割安だったり、セールをしている航空券を購入して、目的地を考えるという旅行のやり方が浸透していることが伺われました。
ただ、新幹線などを使えば、いろいろな地方を周遊できることを伝えると、大変興味深く聞いてくださり、これから地方もしっかりPRすることで観光客を増やすチャンスはあると感じました。
4 TME 2018について
今回日本からは北海道、和歌山県、岐阜県、鳥取県、神戸市、長崎県、沖縄県が観光PRのため、ブースを出展していました。今は、どの地域も知名度は低いですが、関心は高まっており、リピーターも増えていることから、今後期待できる市場であるということを強く感じたという声が伺われました。
当事務所では、引き続きASEAN諸国の訪日旅行市場最新情報を収集し、関係機関とも連携しながら地域の魅力を発信していきます。