8月10日(金)から12日(日)までにかけて、タイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Centerで開催されたタイ国際旅行フェア「Thai International Travel Fair #23」の様子を取材してきました。
この旅行フェアは、タイ国内最大級の一般消費者向けの旅行フェアで、毎年8月と2月の年2回開催され、会場には、航空会社や旅行代理店、ホテルなどのブースとともに、JNTOや日本の地方自治体のブースも設置されていました。
JNTOによると、2017年にタイからの訪日旅行客は前年比で9.5%増加しており、過去最高の987,211人を記録しました。これは、東南アジア諸国の中で最も多く、このうち約7割が日本を2回以上訪問したことがあるリピーターということで、訪日旅行への関心が高いことがうかがえます。
JNTOブースには全国各地の観光パンフレットが並べてあり、気になった地方自治体のパンフレットを手に取って、従事しているスタッフに質問するといった形で日本各地の観光名所をPRされていました。
来場者に人気のある観光パンフレットを聞いたところ、第1位は北海道で、冬のシーズンに「雪」と「グルメ」を目当てに計画を立てている方が多いとのことでした。
第2位は東京都でしたが、第3位には沖縄県がランクインし、LCCのPeachがバンコクと沖縄を結ぶ直行便を毎日就航していることで、気軽に安く行ける旅行先として人気が高くなっているとのことでした。
今回の旅行フェアには、東京都や沖縄など11の自治体関係者がブースを出展して、秋から冬にかけての旅行プランをPRしていました。
タイの旅行者は、SNS映えするきれいな花や自然豊かな景色に興味があるということで、フォトブースを設置したり、着物の着付けをして写真撮影ができたりと各ブースで工夫されていました。
静岡県のブースでは、今年の4月からタイで販売されることになった「静岡茶」の試飲会が開催され、フェイスブックに「いいね」をするとペットボトルがもらえ、長蛇の列ができていました。
会場内は多くの来場者で賑わっていましたが、各ブースを取材していると「昨年に比べ来場者が少ない」という声も聞かれました。原因はいくつかあると思われますが、そのひとつとして、個人旅行が増えていることが挙げられます。
これまでは、旅行フェアの会場内で各ブースの旅行プランを見ながら、希望するツアーを申し込むという方法が主流でしたが、個人旅行をする多くの方は、インターネットを利用して航空券を手配したり、観光情報を入手したりしています。その結果、旅行フェアの会場に足を運ぶ必要がなくなっているのではないかと思われます。
こうした状況は、今後も続くと予想されることから、個人旅行者をターゲットに、現地の言語で、今までツアーでは行けなかったゴールデンルート以外の地方の観光地情報を充実させ、発信することで、これまで以上に日本の地方を訪れる方が増えていくことが期待されます。