2016年EROPA会議開催

EROPA(Eastern Regional Organization for Public Administrationとは、アジア・太平洋地域の経済及び社会の発展に資するため、各国の行政の質向上を図ることを目的として、1960年(昭和35年)12月に設立された国際組織です。今年は2016年10月10日(月)から10月13日(木)にかけてフィリピンのマニラで開催されました。

 

1 EROPAの組織

EROPAは国家会員、団体会員及び個人会員の3者によって構成されています。フィリピンに事務総局を置き、研修センター(インド)、開発経営センター(韓国)、電子政府センター(中国)及び地方行政センター(日本)の4つの専門センターがあり、「地方行政センター」は自治大学校内に設置されています。センターの所長は自治大学校長が兼ねており、また、自治大学校は国家会員の日本政府代表となっていることから、EROPAの日本における窓口として活動しています。クレアはシンガポール事務所が団体会員であり、選挙で選ばれ代表を務めています。

 

2 EROPA会議

今年のEROPA会議では執行理事会、そして全大会と分科会で構成されるセミナーが開催され、執行理事会では、今後の運営方針やEROPA会議が抱える課題について活発な意見のやりとりが行われていました。
また、セミナーでは「Innovative(革新的)、Inclusive(包括的)、(Integrity-based(健全性)」をメインテーマに、参加各国の行政研究者等が発表を行いました。
分科会では、日本からも、上子秋生氏(立命館大学)、佐々木一如氏(明治大学)、西村謙一氏(大阪大学)及び野田遊氏(愛知大学)が参加し、研究報告を行いました。Q&Aセッションでは参加者から質問が多く寄せられ、地方行政が抱える各国共通の課題に関する日本の研究や取組みに多くの参加者が高い関心を持っている様子が窺えました。

 

3 EROPA会議に参加して

地方行政に携わる一人としてこの国際会議に出席させてもらい、各国のベストプラクティスや分科会での多岐に渡るテーマに触れ、様々な立場で行政の充実と発展に尽力する専門家の方々の熱意を感じました。また、アジアの各国の参加者たちの熱心に聞き入る姿に、同じ問題意識を共有する行政職員としての刺激を受けました。
また、今年度も日本から多くの専門家の方々や行政職員が参加していましたが、日本のプレゼンスを上げるためには、このような世界会議の場で発表や発言をすることが非常に重要であると感じました。
来年2017年度のEROPA会議は韓国のソウルで開催されます。そこでもきっと熱い議論が繰り広げられることでしょう。

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