11月下旬、シンガポールの統合型リゾート(IR)施設「リゾート・ワールド・セントーサ」で、食や観光を中心とした北海道フェアが開催されました。北海道産食材を使ったレストランフェア、観光プロモーション、ステージパフォーマンスを実施するとともに、乳製品などの食品や酒類、工芸品、インテリアなどの物販を行い、幅広い北海道の魅力を発信しました。
フェアの一環として商談会も開催されましたので、以下に紹介します。
11月24日(木)、25(金)の2日間に渡って開催されたセントーサでの商談会では、従来の外食産業に加え、化粧品などコスメティック商品販売業者が出展したことが新たな試みとなりました。通常の商談会は自由入場・自由商談が多いのですが、商談会出展者及び招聘バイヤーに対して時間割を作成してきめ細かいマッチング対応を行ったことで、ロスがなく効果的な商談が行われました。商談はお見合いに例えられますが、「まずは商談の場に着席してもらうこと」が重要であることを再認識させられました。
シンガポールにおける統合型リゾートとの連携の効果を考察してみたいと思います。
日本の自治体側のメリットとしては、シンガポールのみならず近隣ASEAN諸国は勿論、中国本土などから来る海外観光客に対してワンストップで効果的なプロモーションが行えることが挙げられ、統合型リゾート側のメリットとしては11月下旬からのシンガポールにおけるスクールホリデー期間において、一般的に海外旅行に出掛けてしまうシンガポールの家族連れを惹き付ける目玉イベントとしての集客効果が挙げられるでしょう。
自治体プロモーションは通常ショッピングモールなどで開催されますが、敢えてシンガポール側から見たインバウンド施設で開催することの意味は、インバウンド先進国であるシンガポールの強みを活用し、近隣諸国からの来星観光客をもターゲットとなし得ることが大きいのではないでしょうか。
北海道と札幌市は、ASEAN諸国への道内企業の販路拡大、道産品の輸出拡大に向けて、連携してより効果的に支援を行うため、北海道・札幌市海外拠点連携協議会を設置し、「ASEANマーケット開拓プロジェクト」の一環として、今回の事業を実施しました。
自治体間連携により商談アイテムの増加、情報資源の共有、経費節減の効果など多くのメリットが期待されます。シンガポールは都市国家であり自治体の概念がありませんので、効果的なプロモーションに自治体の垣根を超えた連携は欠かせないものとなるでしょう。