クレアシンガポール事務所は7月28日(金)及び29日(土)に、ベトナム・ダナン市で開催された「第4回ダナン越日文化交流フェスティバル2017」を取材しました。
このフェスティバルは、ダナン市と日本・提携自治体との関係を深めることを目的に、2014年から開催されているものです。今回もポップカルチャーから伝統芸能まで、日本に関わる幅広いジャンルのイベントやブース出展が行われました。会場は人がすれ違えないほどのにぎわいを見せており、日本への関心の高さを感じました。
以下、「日本・自治体とダナン市との交流状況」、「日本文化・日本語の広がり」を中心に報告します。
日本とダナン市との交流は、400年以上前に始まりました。その昔、長崎の朱印船貿易商人であった荒木宗太郎がベトナム王族のアニオー姫と結婚。その後、アニオー姫は長崎に移り住み、そのまま長崎で生涯をともにしたというものです。
この歴史は、ダナン市では「日本とベトナムとの友好の象徴」とされています。そして、今回のフェスティバルでも、この歴史をもとにした演劇が披露されました。
今年度の開幕式には梅田在ベトナム大使も出席しました。開会のスピーチと併せて、フェスティバル参加自治体の代表者、ダナン市の代表者とともに鏡割りを行いました。
自治体については、関連団体を含め6自治体がフェスティバルに参加しました。中でも長崎県とダナン市共催の「日本語スピーチコンテスト決勝」、川崎市とダナン市連携の「サッカー教室」のように、3自治体がダナン市や地元のダナン大学と共催・連携したイベントを行っており、日本・自治体とダナン市との交流がさらに深まっている様子がうかがえました。
イベント・ブース会場では、10代と思われる若者を中心に多くの来場者でにぎわっていました。
ブースは、日本のアニメグッズ販売から生け花体験や落語実演まで幅広い内容のものが並びました。中でも落語はすべて日本語で行われていたにも関わらず、客席の笑いが絶えなかったことが大変印象的でした。
また、若者の間では日本のアニメキャラクターのコスプレをする姿が目立ったほか、北海道の「よさこいソーラン祭り」の演舞をするグループもあり、日本のポップカルチャーが受け入れられているように感じられました。
フェスティバルのプログラムとして、長崎県とダナン市共催の「日本語スピーチコンテスト決勝」が開催されました。決勝は8人で行われ、優秀者には長崎旅行が贈呈されました。
日本語を学び始めたきっかけは「ドラマ」や「日本人(友人/先生)との出会い」など様々でしたが、多くの参加者が「将来の夢は日本語とベトナムの架け橋となる職業に就くこと」と語っていました。
また、ベトナムの外国語教育では、中学校・高校で第一外国語として日本語を選択することが可能です。ダナン市内の中学校、高校での日本語学習者は現在約5,000人で、日本語能力試験受験者の動きから見ると、全体としての日本語学習者は増加しているとのことです。
今年の11月、APEC首脳会議がダナン市で開催されます。これに向け、ダナン市内の多くの所で工事が行われていました。
ダナン市の経済成長率は9.6%で、ベトナム平均の6.2%を上回る経済発展をしています。また、日本とのつながりでは、ダナン国際空港との間で成田空港便に加え、この9月に関西国際空港便が就航し、ますます距離が近くなりました。
経済発展を続け、世界の注目を集めているベトナムですが、その中でもダナン市から目が離せません。