福岡県市町村職員研修所が、2018年2月6日(火)~8日(木)の日程で、海外研修先としてのシンガポールを訪問し、またシンガポールで活動している自治体や企業等との意見交換や市内視察を行いました。同研修所は、日本全体のグローバル化が進展する中、国際感覚を持ち、地域の国際化をリードできる市町村職員の育成に向けた研修や事業を行っており、今回実際にシンガポールに進出している自治体の取組みやその事業をサポートする関係機関の視察を行いました。
クレアシンガポール事務所では、シンガポールの概要、ASEAN諸国及びインドの状況等についてブリーフィングを行ったほか、アポイントメントの取付けや同行支援などを行いました。
以下、訪問内容等について報告します。
シンガポールには多くの企業が進出し、通常の営業活動のほか、市場調査・情報収集などを行っています。また、日本の様々な自治体がシンガポールをはじめとするASEAN・インドにおいて物産の販路拡大や観光インバウンドの促進に取り組んでいます。今回は、JR東日本シンガポール事務所が運営するJapan Rail Cafeや福岡銀行シンガポール駐在員事務所、JETROシンガポール事務所、日本自治体等連合シンガポール事務所を訪問し、事業概要などについて意見交換を行いました。
JETROシンガポール事務所では、シンガポールへの日系企業の進出動向やシンガポールにおける日本食品市場の可能性について意見交換を行いました。
Japan Rail Cafeでは、海外研修の際に、シンガポール人も多く訪れるこのカフェを利用して、各地域の魅力を英語でプレゼンテーションしてはどうかとの提案がありました。実際に現地の方々の生の声を聞き、ニーズを把握することで、確かな販路開拓や観光誘客に取り組むことができます。
また、日本自治体等連合シンガポール事務所では、海外展開を考えている自治体はとにかく現地に赴き、自らの肌で感じ、根気強く営業努力を行うことが大事との説得力あるアドバイスもいただきました。
そのほか、シンガポールの都市計画の歴史や過程を紹介するシティ・ギャラリー、シンガポール最大手のスーパーマーケットNTUC FairPrice、ナショナル・ミュージアム、統合型リゾートのマリーナベイ・サンズ、ABCクッキングスタジオなどの視察を行いました。
2月7日(水)、ジャパン・クリエイティブ・センターにおいて福岡県の観光、食、農作物、酒、伝統工芸などの多彩な魅力をPRし、観光誘客や県産品輸出拡大につなげることを目的とした「福岡食と観光のセミナー」が開催されました。セミナーでは、福岡県観光振興課や福岡県観光連盟の職員が色合い鮮やかな風景や食事の写真をふんだんに使用した資料を用いて、果物狩りや寿司作り、ラーメンの麺作りなど「体験型」を意識したプレゼンテーションを行い、参加者からはムスリム対応のレストランや空港から駅へのアクセスなどについて、多くの質問が投げかけられていました。
その後に行われたレセプションでは、小川洋福岡県知事があらためて食の魅力についてトップセールスをされ、参加者の食欲が高められたところで、あまおうや明太子、豚骨ラーメンのほか、真鯛を使った料理や郷土料理のがめ煮などが振舞われ、来場者を魅了していました。こうした五感を刺激するPRはきわめて有効であると感じました。
また、別室では北九州市漫画ミュージアムもPRのためブースを出展しており、人気似顔絵師による実演を企画するなど福岡・北九州の魅力が存分にアピールされていました。
今回、当事務所は、福岡県市町村職員研修所の海外研修先としてのシンガポール視察に当たり、企画相談から訪問先のアポイントメント取得、同行などの支援を実施しました。
当事務所では、所管国の日本国大使館や日系機関、また各国政府機関との連携を深めております。自治体のみなさまが海外活動をされる際は、これらのネットワークを生かしたサポートが可能ですので、是非当事務所までご相談ください。
(能村所長補佐 大分市派遣)
(川﨑所長補佐 いちき串木野市派遣)