9月12日(水)から15日(土)にかけてインドネシアのスラバヤ市で「第7回都市・自治体連合アジア太平洋支部(UCLG ASPAC)」が開催されました。クレアシンガポール事務所から3名の職員が各派遣元の取組について発表をしましたのでその概要を報告します。
UCLG ASPAC(United Cities and Local Governments Asia Pacific)は、地方自治体の相互の協力や国際社会の地方自治体関連組織との連携を通じて地方自治体の価値観、目的、共益を追求することを使命として組織された団体であるUCLGのアジア・太平洋地域支部です。地方自治体会員、国際地方自治体組織会員、準会員に会員区分されており、日本では、浜松市が地方自治体会員、クレアが国際地方自治体組織会員として参加しています。
今回は、「イノベーションによる持続可能な都市開発」をテーマに、アジア太平洋地域からおおよそ40都市、800人の地方自治体の職員や関係者が集まり事例発表や意見交換を行いました。また35か国135人のスピーカーが先進事例を発表しました。クレアシンガポール事務所の3名の職員は各セッションで派遣元自治体の取組を紹介しました。
まず、Plenary Session では、地方のイノベーションを通じて、意思決定、政策の策定、アカウンタビリティの向上を図りながら質の高いサービスを提供するための方策について議論され、渡邊次長(京都府派遣)が「京都府の産業振興の取組」として、長い歴史を持つ京都で育まれた伝統と技術革新の産業風土、世界中から試作品の受注や提案を行う「京都試作ネット」についてプレゼンテーションを行いました。
Networking Event では、災害リスク対策の実例と成果を共有し、様々なステークホルダーの協働による地域の効果的な防災対策について意見交換がされ、杉田所長補佐(東京都派遣)が2011年の東日本大震災の教訓を基に再構築した「東京都の防災対策」について民間企業との協力等を例に発表しました。
また、Side Event では、人々のコミュニティの場所として誰もが安全に楽しく過ごすことができる公共空間をつくるための方策について話し合いがされ、佐々木所長補佐(秋田県派遣)が子どもの安全を中心とした「秋田県の安全・安心なまちづくり」について発表しました。
このUCLG ASPACの会議では、インドネシア共和国ジャカルタ首都特別州知事のほか、各国の地方自治体代表者や関係者が多数参加していました。
今回は、UCLG ASPACより日本の先進事例についての情報提供及び会議において日本のプレゼンスを高めてほしいとの要望により発表することになりました。発表後の質疑応答、意見交換も含め、参加者の日本の政策や事例に対する興味・関心は高く、地方自治体が有するノウハウは海外の自治体をリードする役割も期待されていると感じました。当事務所としては、今後も国際会議に積極的に参加するとともに、多くの地方自治体が参加することにより、海外における日本のプレゼンスがさらに高まることを期待します。