2018年12月10日(月)から11日(火)まで、札幌市の岸副市長がフィリピン・マニラを訪問し、札幌市の魅力と観光情報を発信するトップセールスを行いました。
これは、北海道胆振東部地震の影響で減少した外国人観光客を呼び戻すことを目的とするもので、12月7日(金)に北海道新千歳空港とフィリピン・マニラを結ぶ定期直行便が就航したことに合わせて行われました。
訪問期間中は現地メディアや観光業界関係者向けのイベントを開催したほか、フィリピン政府観光省や直行便を運営するフィリピン航空などと意見交換を行いました。 シンガポール事務所では、このイベントや意見交換で同行支援を行いましたので、その概要を報告します。
日本政府観光局(JNTO)によると、2017年のフィリピンからの訪日観光客は過去最高の42.4万人(前年比21.9%増)で、6年連続で過去最高を更新しています。 また、札幌市に宿泊するフィリピン人の数も増加を続けており、2017年は2.2万人で、前年比49%増となっています。
12月10日(月)は、フィリピン・マニラで現地メディアや観光業界関係者向けの観光PRイベントを開催し、およそ100人が来場しました。
フィリピンでは、札幌市や小樽市などがロケ地となった映画「キタキタ」が7億円を超える大ヒットを記録。映画公開後は、フィリピンから札幌市の観光情報サイトへのアクセス数が増加するなど、札幌市への関心が高まっています。
イベントには同映画に出演した人気俳優のエンポイ・マルケス氏がトークショーを行い、ロケを通じて感じた札幌市の魅力や印象深いロケ地・食べ物などを笑いを交えてPRしました。
また、AKB48の姉妹グループで、マニラを中心に活動する「MNL48」もイベントを盛り上げました。
岸副市長は、「大変盛り上げていただいて良い札幌のアピールが出来た。」「フィリピンの方にたくさん来てもらえるように、これからも観光誘致活動をしていきたい」と話していました。
12月11日(火)は、フィリピン政府観光省やフィリピン航空などを訪問し、札幌市の観光PRのほか、フィリピンとの交流人口拡大に向けての意見交換を行いました。
フィリピン政府観光省では、レイラ・リベラ局長と意見交換を行いました。
リベラ局長からは「日本には、東京と大阪にフィリピン政府観光局(観光省の支局)があるほか、フィリピン政府観光省認定の旅行代理店があり、日本からフィリピンへの観光誘客に取り組んでいる。交流人口拡大に向けて、これら の機関が連携していきたい」との意見をいただきました。
フィリピン航空では、ジェイム・J・バーチスタ社長兼COOと意見交換を行いました。
バーチスタ社長からは「日本は大きく魅力的な市場であり、今後の交流人口の拡大を期待している」「フィリピン航空はニノイ・アキノ国際空港を中心に東南アジア各国やオーストラリアに就航路線がある。日本と東南アジア・オー ストラリアのハブとして、ぜひフィリピンを活用してほしい」との意見をいただきました。
JNTOマニラ事務所で、フィリピン旅行業協会のパトリア・T・チオン執行副会長、JNTOマニラ事務所の藤内所長と意見交換を行いました。
チオン執行副会長からは「訪日観光を行うに当たり、直行便は大きな原動力となる。フィリピン人にとって札幌市がさらに身近になった」「訪日旅行についてはリピーターも増えており、『最初は東京・大阪、次は札幌市へ』という ような流れとなるだろう」との意見をいただきました。
また、藤内所長からは「フィリピン人にとって主な情報源はフェイスブックを中心とするSNS。フィリピン人向けに観光PRを行う場合は、SNSを強化すると良い」とのアドバイスをいただきました。
日本各地には素晴らしい景色・風景がたくさんありますが、映画やドラマなどの「物語」を介してみると、その印象はさらに深く心に残るものとなります。
今回のイベント来場者にお話を伺ったところ、「映画に出ていた時計台を見てみたい」「(主演の)二人が食べていたラーメンを食べてみたい」、そして「ぜひ札幌市・北海道に行って、映画の舞台を自分の足で回りたい」と笑顔で話してくれました。
新たな観光誘客の手法を検討されている自治体におかれましては、「ロケの誘致/支援」や「ロケ地ツーリズム」を選択肢に加えることもお勧めします。