東南アジア最大級のアニメイベント「C3AFA Singapore 2019」がシンガポールで開催され、2019年11月29日から12月1日までの3日間で、国内外から12万人以上のアニメファンが来場しました。
当事務所では昨年に引き続き、東南アジアのアニメ好きな若者をターゲットに、アニメ・漫画を通した訪日PRを実施するべくブースを出展しました。
また同ブースには、日本から東京都豊島区、茨城県、宮城県の3自治体も参加し、各地域自慢のアニメコンテンツを活用した魅力発信を実施しました。
東南アジア最大級の日本のポップカルチャーイベント。2008年の“AFA”(アニメ・フェスティバル・アジア)初開催から今年で12回目の開催となり、“C3”(キャラクターイベント)との共同開催として本年で3回目の開催となりました。アニメ制作会社や出版会社による最新アニメ・漫画のプロモーションや関連グッズの販売、声優やアニメソング歌手によるコンサート、一般来場者参加型のアニソンコンテスト、コスプレ撮影会などが実施され、毎年約10万人のアニメファンが来場するビッグイベントです。
今年は新たにゲームエリアも設置され、12万人の来場者を達成しました。来場者の多くは10代の若者で、コスプレをした来場者同士が一緒に写真撮影するなど、アニメ好きな人々の交流の場としても親しまれているイベントです。
日本から参加した3自治体は、それぞれの地域自慢のアニメに関連したコンテンツを活用した魅力発信を行いました。東京都豊島区は、アニメイトと協同制作した「池袋PRアニメ」のプロモーション、毎年開催する区内のコスプレ・マンガ・アニメのフェスティバルの周知を行いました。茨城県は、県公認Vtuber「茨ひより」出演の茨城県PR動画の放送、茨ひよりの全身パネルとの写真撮影を行いました。宮城県は「石ノ森漫画館」から石ノ森章太郎が生んだ石巻のヒーロー「シージェッター海斗」が駆けつけ、多くの来場者が写真撮影を行いました。
イベント期間中客足は絶えず、出展自治体に対し熱心に質問する来場者の姿が目立ちました。また、インドネシアのインターネットメディアや、池袋から出張出展していた執事喫茶の方々がブースを訪れてくださるなど今後のさらなる事業展開につながるご縁が生まれました。
昨年を上回る来場者だったこともあり、出展自治体のパンフレットは飛ぶようになくなり、クレアで実施した来場者アンケートにも多くの方が回答してくれました。
出展自治体からは、今回の出展でアニメコンテンツがインバウンドにつながる可能性を大いに感じたとのご意見をいただきました。実際に帰庁後に、ヒアリングのために自治体を訪れた団体もあったそうです。
「今度日本に行ったらアニメの舞台である自治体に必ず行きたい」との来場者からの声もあり、好きなコンテンツの場所が、旅行の目的地になると実感できたそうです。実際、クレアで行ったアンケートでも、回答者のうち約78%が、日本を訪れる際にはアニメの舞台を巡りたいと回答していました。
一つの自治体だけではハードルの高い海外出展も、クレア事業での合同出展で可能となり、また他自治体とのアニメ・マンガコンテンツ発信の課題等も共有できた、とのご意見もいただけました。
ASEAN各国で開催される旅行博・物産展と比較しても、C3AFAは来場者の熱量が圧倒的に大きいのが特徴的でした。
アニメから学んで日本語をある程度話せる来場者も多く、特に印象的だったことは、池袋「OTAKU SUMMIT」に関心を示す来場者が多く、「OTAKU(オタク)」という言葉が浸透していること、石ノ森漫画を知っている来場者の多さ、「茨ひより」ファンのシンガポーリアンがブースへやってきてくれたことです。「好きこそものの上手なれ」だと感じるとともに、アニメへの情熱を日本への関心につなげられれば大きな可能性が広がると感じました。
また今回、物販以外の出展ブースをいくつか訪れインタビューさせていただきましたが、「シンガポールの若者をターゲットにPRするならアニメイベントが効果的である」というご意見が多く、アニメコンテンツは今後の訪日PRにおける重要な位置づけにあることを改めて実感しました。
クレアではシンガポール事務所以外の海外事務所でもアニメイベントへの参加が増えつつあります。イベント期間中、シンガポール以外の国々のアニメイベント主催者の方々もブースに立ち寄ってくださり、更なる事業展開の可能性に期待が高まりました。
今後もクレアシンガポール事務所ではアニメイベントでの自治体訪日PRに取り組んでいきたいと思います。