ワールドマスターズゲームズは、オリンピックなどの選ばれたアスリートのための競技大会とは異なり、概ね30歳以上であれば誰もが参加できるスポーツ愛好者のための世界大会です。第10回を迎えるワールドマスターズゲームズ2021関西(WMG関西)は、日本初、アジア初となる記念大会となります。
その舞台は、関西広域連合(連合長:井戸敏三兵庫県知事)を構成する2府6県4政令市及び福井県で、各自治体において首長を会長とした実行委員会を立ち上げるなど、行政、経済界、関係団体が一丸となって準備が進められているところです。
生涯スポーツが盛んな北米、欧州、オセアニア地域で開催されてきたこれまでの大会とは異なり、本大会ではアジア各国で潜在している生涯スポーツへのニーズの掘り起こしを推し進め、アジアにおける生涯スポーツ文化のパイオニアとなることが目指されています。
その取組の一環としてシンガポールにおいても大会PRが始められることとなり、クレアシンガポール事務所では9月7日から11日にかけてスポーツ関係団体等へのアポイントメント取得と同行支援、イベント出展支援等を実施しました。
シンガポールにおけるスポーツ関連政策は、文化・コミュニティ・青年省(MCCY)の傘下にあるスポーツ・シンガポールが担っています。
来星したWMG関西職員が面談したスポーツ・シンガポールのマスターズ・クラブ担当者は、①少子高齢化に伴い労働力の減少とヘルス・ケア・コストの増大が見込まれる中、高齢者の健康増進は重要施策のひとつとなっていること、②従来ターゲットとしてきた50歳代以上から対象年齢を40歳代まで下げて、日常のライフスタイルの中にエクササイズを取り入れる様々なプログラムにより普及活動を行い、スポーツへの積極的な参加を促している状況等が紹介されました。
また、生涯スポーツを長く続ける動機づけとしてWMG関西大会を目標とすることが有効である点や、広報面での連携可能性等について、幅広く意見が交わされました。
来星したWMG関西職員は、シンガポールで人気の高い陸上競技やバドミントンのほか、日本でのマスターズ大会に関心の高い野球・ソフトボールの各協会を訪問し、面談を行いました。
シンガポール陸上マスターズ協会との面談では、WMG関西へは既に多くの参加者が見込まれており、広域開催に伴うボランティアも含めての交通と宿泊の確保や競技ルールの混乱防止等に関する要望が寄せられました。
シンガポールバドミントン協会との面談では、シンガポールには熱狂的なマスターズが多いので、混乱を避けるために協会で情報を取りまとめて正確かつ公平に情報発信する方法が提案されました。
野球・ソフトボール協会では、WMG関西はもとより今年香川県で開催される大会へもシンガポールのチームが出場を予定していること、7年程前から東南アジア地域のマスターズ大会を始めているので各国協会への参加呼びかけが可能とのお話をいただきました。
アジア初の開催となるWMG関西には、アジアにおけるマスターズスポーツムーブメントのトリガーとして、関係団体においては既に高い関心と期待が寄せられているようです。
とはいえアジアにおいて、特に一般にはまだまだWMGは認知が低いのが現状です。
そこで、広く一般の方の間でもWMG関西の知名度を上げるべく、シンガポールにおけるスポーツのメッカ「スポーツ・ハブ」とシンガポール日本人会が共催した夏まつりにPRブースを出展しました。
来場者にはパンフレット、クリアファイル、うちわの配布を通して大会をPRしたほか、ストラックアウトによるノベルティ(キーホルダー、ピンバッジ、ボールペン)プレゼント企画が行われ、「列が列を呼ぶ」効果で長打の列が途切れませんでした。
さらに、WMG関西マスコットの「スフラ」着ぐるみも登場。「Let’s Meet in Kansai」のメッセージボードを持っての記念撮影に順番待ちをする人だかりで、ブース周辺は大いに賑わいました。
今回来星したWMG関西職員は、JNTOや現地旅行代理店等へも訪問し、観光庁や企業の取り組みとWMG関西の取り組みを一致させていくための意見も交わされました。
2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックの2大会を「みる」ことで高まるスポーツへの機運をWMGの「する」スポーツへとつなぎ、日本ならではのおもてなしの心を添えて世界の人々が感動と喜びを共有出来る生涯スポーツの祭典に、皆さんも参加してみませんか。