タイでは、バンコクなどの都心部と農村、山岳地帯の経済格差が大きいことが課題となっていました。そこで、政府は国の地方開発、農村の自主自立、伝統の知恵の維持・活性化を目的として、国内の各村々に最低でも1種類の主要製品を作るよう推奨し2001年に日本の大分県をモデルに「OTOP(One Tambon One Product)」(一村一品運動)プロジェクトを開始しました。
また、OTOP製品を全国、世界に広めようというイベントも各地で開催され、多くの人々の興味や関心を集めています。現在ではタイ国内だけでなく、世界へOTOPを広めようとするイベントや、空港での製品販売も行われ、観光客誘致の一翼を担っています。
マレーシア第二の都市ジョホールバルのあるジョホール州は、観光レジャー施設や企業活動誘致、インフラや住環境、教育機関の整備が進んでいます。これは2006年から20年をかけて同州南部(イスカンダル地区)を世界クラスの都市にするという「イスカンダル計画」に基づくものです。
2011年にアウトレットモールが開園。その2か月後には既に100万人以上が訪れました。また、2012年にはアジア初のレゴランドが開園し、当初1か月で25万人の来場がありました。さらに、2013年にはウォーターパークとレゴランドホテルが開業し、一層観光地としての魅力を高めており、2015年上半期(1~6月)には、同州を訪れた観光客数は前年同期比12.8%増の約320万人となるなど、着実に観光客数が増加しています。
インドネシアの古都ジョグジャカルタ特別州は、古都つながりの京都府との30年余りの交流に加えて、2014年から山梨県と火山防災の共同研究体制の構築や世界遺産保存管理に関する意見交換などをきっかけに交流を重ねています。
2015年8月には州知事が山梨県を訪問し、トップセールスを行うなど州の魅力を発信しました。山梨県知事も「州政府だけでなく、産業、経済関係者の山梨訪問を促進して、ビジネスでも協力し合いたい」と表明するなどしているため、今後、両地域間の一層多面的な交流人口の拡大が見込まれています。
(シンガポール事務所 新居所長補佐)