経済発展著しい東南アジアへは、訪日プロモーションなどで多くの自治体関係者の方が来られています。
その際、文化・宗教の違いからどのようなお土産をもっていけばよいのか迷われることもあるのではないでしょうか。
今回は、東南アジアに出張される際のお土産で避けたほうがよいものを紹介したいと思います。
まずは、「イスラム教」の方へのお土産についてです。東南アジアではインドネシアで人口の約9割、マレーシアで約6割と、中東よりも多くのムスリムの方々がいらっしゃいます。お土産としては豚肉を加工した製品や、日本酒などのお酒はもちろん、原材料に豚由来のものやお酒が使われているものにも気を付けなくてはいけません。例えば、クッキーなどにも豚の脂・ラードが使われている製品が多いですし、醤油やみりんにもアルコールが含まれていますので、それらを使用した煎餅やおかきにも注意が必要です。食べ物がダメなら、モノにしよう!と考えるかもしれませんが、イスラム教では偶像崇拝がタブーですので、人形や人物・動物の顔が描かれた物も避ける必要があります。
次に中華系の方へのお土産ですが、時計や傘、扇子は、中国語での発音が別れる、離れるといった言葉の発音と似ているため、贈り物にはふさわしくないとされています。その他にも、中国では白、藍色、黒が不吉な色とされており、これらの色の包み紙は避けた方がよいなど、色に関する注意も必要です。
お土産の基本は、相手に喜んでもらうものを選び、渡すことであり、それは世界共通だと思います。
自信をもって素敵なお土産を渡し、地元を売り込むためにも、相手の文化や宗教を学ぶことが大切です。
(シンガポール事務所所長補佐 藤田)