シンガポールは、日本と比べて著しく自動車が高いことはご存知でしょうか。
例えば、トヨタカローラの新車をシンガポールで購入すると1千万円程度かか ると言われています。その主な理由としては、シンガポールの狭い国土の中で、自動車の台数が増え すぎて交通渋滞を起こしてしまわないように、政府が自動車台数を制限しており、自動車を所有するためのライセンスを政府から取得しなければならないことが挙げられます。このライセンスを取得する費用がとても高く、結果として 輸入コストと合わせて自動車を所有するための費用が高額になっています。
このような中、シンガポールでは、とても斬新的な方法で自動車を販売する業者が登場しました。これは15階建てのビルを『自動販売機』に見立て、フェラ ーリやポルシェなどの高級車60台を格納し販売するというものです。その様は、まるでミニカーの入ったショーケースのようです。また、購入の方法も画期的で購入希望者が自動販売機ビルを訪れ、タブレット の専用アプリを使用して購入手続きを済ませ、支払いが確認されれば、各階に展示されている高級車が降りてくる仕組みとなっています。スムーズにいけば 約2分で高級車を手に入れることができるということで驚きです。オーナーの話では「シンガポールは土地不足で地価が高騰しており、スペースを有効活用することと競合他社より目立つためにこのシステムを導入した」とのことでした。実際に宣伝の効果が高く、自動販売機ビルの前にはクルマ好きが集まるなど、ちょっとした観光名所となっています。
シンガポールの一般人にとって自動車を所有することだけでもハードルが高い のですが、高級車をわずか2分で手に入れることできることに憧れてしまうのは私だけでしょうか。
(参考) 映像は、以下のアドレスでご覧いただけます。
http://abm.sg/
(シンガポール事務所所長補佐 古谷)