国土が狭く、天然資源も持たないシンガポールが、世界的な国際都市として発 展してきた要因として、国家的に金融や物流などのハブ機能を強化してきたこ とがあげられます。 とりわけ、チャンギ国際空港は、開業以来右肩上がりの利用者数増となってお り、2016年の年間利用者数は過去最高の年間約5,870万人を記録しています。 (※)
加えて、SKYTRAX社の実施しているWORLD AIRPORT AWARDSにおいて5年連続 で首位に輝くなど、世界でもトップクラスの利用者満足度を誇る空港となって います。チャンギ国際空港は、シンガポール民間航空庁(Civil Aviation Authority of Singapore:CAAS)という交通省管轄下の法定機関(日本で言えば省の外局 のようなもの)により管理されてきましたが、2009年に運営部門を独立・民営化し、より柔軟でスピード感のある空港運営や海外の事業展開を行っています。 その活動は、チャンギ国際空港にとどまらず、現在では、世界の20以上の国で 50以上の空港の管理・運営やコンサルテーション等を行っています。また、チャンギ国際空港の第4ターミナルが今年の10月末に供用開始となりま した。これで4つのターミナルを合計すると年間約8,200万人の旅客対応能力を有することとなりました。これに加えて、2020年代中頃から、第5ターミナル を開設する予定であるなど、アジアの他のライバル空港との激しい競争に負け ない積極的なハード整備を行っています。また、空港内には噴水や滝、熱帯の植物、多種の蝶を観察出来るバタフライガ ーデン、更には無料映画館やフィットネスセンター、屋外プールまで完備され ています。トランジット(乗り継ぎ)で時間に余裕がある利用者には、2時間の島内観光 ツアーを催行しており、マーライオンやマリーナベイ地区などシンガポールの主要観光スポットを無料で巡ることが出来ます。このように、チャンギ国際空港はさながらアミューズメントパークのように利 用者が快適に過ごすための工夫が随所に見られます。
みなさんもシンガポールを訪れることがあれば、是非その魅力を感じてみてく ださい。ただし、うっかり乗り遅れないよう、くれぐれもご用心を。
(※) 出典:国際空港評議会(ACI)「2016年旅客数ベスト20空港」 http://www.aci.aero/News/Releases/Most-Recent/2017/04/19/ACI-releases-preliminary-2016-world-airport-traffic-rankingsRobust-gains-in-passenger-traffic-at-hub-airports-serving-transPacific-and-East-Asian-routes
なお、羽田空港は同ランキング内5位に位置しており、年間約7,980万人の利用 者数を誇っている。
(シンガポール事務所所長補佐 飛岡)